<Header>
<Author: 王維>
<Title: 送祕書晁監還日本國>
<Format: 格式不明>
<Year: 1964>
<BookName: 唐詩選　上>
<Translator: 斎藤晌>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 秘書晁監が日本國に還るを送る>
<BookPage: 304>
<UsedPage: 1>
<Feature: 1, 4>
<End Header>
<Poem>
積水不可極，
安知滄海東。
九州何處遠，
萬里若乘空。
向國唯看日，
歸帆但信風。
鰲身暎天黑，
魚眼射波紅。
鄉樹扶桑外，
主人孤島中。
別離方異域，
音信若爲通。
<End Poem>
<Translation>
巨大な水のあつまりは果てしなく廣がっている。この東海の、さらに東のことなど、どうしてわれわれに知れようぞ。わが中國を九州などといって廣いように思っているが、これを一州とする大きい九州があり、そのまた九州を九つ合わせたのがこの世界だということだが、どこが一番遠いところだろうか。おそらく晁監のさして行かれる日本こそもっとも遠いところではあるまいか。茫々たる萬里の波濤を越えて、そこに歸って行かれるのは、まるで虚空に乗って行くようなものではないか。故國に向かって行く手は、ただ朝な朝なにさしのぼる太陽を眺めるだけである。帆をあげて出て行きはするものの、何も見えないのだから、ただ風まかせにするよりほかない。途中には、大海龜が波間に出沒して、空に對してくっきり黒くきわだって見えるときもあれば、また大魚が眞紅な目を、ものすごく光らせて海面上に反射させるときもあるという。
いよいよ到着するさきの故郷の木々は、昔から聞く扶桑のかなたにはえているというが、これからは、そんな心細い嶋國の住人として君はくらされることになる。一たんお別れしてしまえば、そんな遠いはての國に行かれるのだから、音信を通ずるにしても、中國の内地とはわけがちがって容易なことではない。おなごり惜しいかぎりである。
<End Translation>
<Formatted Translation>
巨大な水のあつまりは果てしなく廣がっている。
この東海の、さらに東のことなど、どうしてわれわれに知れようぞ。
わが中國を九州などといって廣いように思っているが、これを一州とする大きい九州があり、そのまた九州を九つ合わせたのがこの世界だということだが、どこが一番遠いところだろうか。
おそらく晁監のさして行かれる日本こそもっとも遠いところではあるまいか。
茫々たる萬里の波濤を越えて、そこに歸って行かれるのは、まるで虚空に乗って行くようなものではないか。
故國に向かって行く手は、ただ朝な朝なにさしのぼる太陽を眺めるだけである。
帆をあげて出て行きはするものの、何も見えないのだから、ただ風まかせにするよりほかない。
途中には、大海龜が波間に出沒して、空に對してくっきり黒くきわだって見えるときもあれば、
また大魚が眞紅な目を、ものすごく光らせて海面上に反射させるときもあるという。
いよいよ到着するさきの故郷の木々は、昔から聞く扶桑のかなたにはえているというが、これからは、そんな心細い嶋國の住人として君はくらされることになる。
一たんお別れしてしまえば、そんな遠いはての國に行かれるのだから、
音信を通ずるにしても、中國の内地とはわけがちがって容易なことではない。おなごり惜しいかぎりである。
<End Formatted Translation>